鴎の忘備録

エッセイとか・・・日記とか・・・・

夢中ビオロン協奏曲 vol.1


昨夜、長い夢をみた。
 
  『琴似駅』
 
 プラットホームの立て看板。
 
 今、通り過ぎた列車がカーブして消えた。
 
 どこかへ出かけよう。
 
 日ごとに日脚は短くなる。
 
 行くなら早く出かけよう。
 
 次来た列車に乗り込んで。
 
 なるべく遠くへ出かけよう。
 
 久しぶりの休日だから。
 
 『発寒』
 
 『星置
 
 『星み』
 
 『てにえ』
 
 『あしゃり』・・・
 
 五分おきに列車は停まり、五分おきに景色は
 
見慣れぬものに変わってゆく。
 
 トンネルを抜けた鈍行列車の左側に、青黒い海が開け、
 
車内放送がまもなく『おとろふ』に停車すると告げた。
 
 海面をただよう小舟の上で、漁師が
 
みなれ竿を操っているのが見える。
 
 ふいに、ガラスの浮き玉が欲しくなり
 
『おとろふ』で下車することに決めた。
 
 車輪を軋ませ列車は停まった。
 
 ドアが開くと、磯臭い空気が車内に入り込んでくる。
 
 急かされるように列車を降り、深呼吸をした。

 

 
            seagull-t      vol.1